2007-04-10 X-linked Agammaglobulinemia (XLA) 定義: X染色体上のBTK(Bruton tyrosine kinase)遺伝子の変異。 伴性劣性遺伝のため、男児のみ(1/25万)発症。女児には決して発症しない。 病態生理: BTKはpre-B細胞から成熟B細胞への分化に必須。患者は抗体を産生できない。 症状: 母親由来のIgGがなくなる生後4〜6ヶ月頃より感染症を繰り返す。*1 溶連菌、黄ブ菌、肺炎球菌等の莢膜を持つ細菌の感染に弱い。 多いのは肺炎、中耳炎、髄膜炎。皮膚症状としては膿痂疹、膿瘍、蜂窩織炎など。 自己免疫疾患の発生が多いことも知られる。 診断・治療: 生後6ヶ月以降にIgGレベルを測定(100mg/dl以下でXLA疑う)。 治療はIVIG*2に尽きる。 5歳までに診断が付けられ、治療が開始されると予後はよい。 生ワクチン厳禁。 *1:希にBTKの変異が軽く、成人になって診断されることもある *2:intra-venus injection of immunoglobulin:免疫グロブリンの静注