X-linked Agammaglobulinemia (XLA)

定義:

  • X染色体上のBTK(Bruton tyrosine kinase)遺伝子の変異。
  • 伴性劣性遺伝のため、男児のみ(1/25万)発症。女児には決して発症しない。

病態生理:

  • BTKはpre-B細胞から成熟B細胞への分化に必須。患者は抗体を産生できない。

症状:

  • 母親由来のIgGがなくなる生後4〜6ヶ月頃より感染症を繰り返す。*1
  • 溶連菌、黄ブ菌、肺炎球菌等の莢膜を持つ細菌の感染に弱い。
  • 多いのは肺炎、中耳炎、髄膜炎。皮膚症状としては膿痂疹、膿瘍、蜂窩織炎など。
  • 自己免疫疾患の発生が多いことも知られる。

診断・治療:

  • 生後6ヶ月以降にIgGレベルを測定(100mg/dl以下でXLA疑う)。
  • 治療はIVIG*2に尽きる。
  • 5歳までに診断が付けられ、治療が開始されると予後はよい。
  • 生ワクチン厳禁。

*1:希にBTKの変異が軽く、成人になって診断されることもある

*2:intra-venus injection of immunoglobulin:免疫グロブリンの静注